こんにちは。「宅建士が教える注文住宅ガイド」の増田です。
最近の家づくりでは、限られた土地を有効に使うために廊下のない間取りの2階建てを検討する方がとても増えていますね。無駄なスペースを削ってリビングを広くしたいという願いがある一方で、実際に暮らしてみたら音の問題やプライバシーの面で後悔しないかなと不安になることもあると思います。この記事では、廊下のない間取りの2階建てで後悔しないためのポイントや、30坪前後の限られた床面積でも空間を広く見せる設計の工夫、気になるトイレの配置といった具体的なアイデアを詳しく紹介していきます。最後まで読んでもらえれば、自分たちの暮らしにぴったりの家を実現するヒントが見つかるはずですよ。
この記事でわかること
- 廊下を居住スペースに転換することで得られる具体的なメリット
- 音の響きやプライバシー問題といったデメリットへの賢い対処法
- 30坪前後の限られた坪数でも開放的な空間を作るための設計のコツ
- 冷暖房効率や耐震性など長く安心して暮らすために必要な住宅性能
廊下のない間取りの2階建て住宅におけるメリット

廊下をなくすという選択は、単に移動のためのスペースを削るだけでなく、住まい全体の快適性や経済性に大きなプラスの影響を与えてくれます。特に都市部などの限られた敷地で家を建てる場合、この設計手法がどれほど大きな価値を生むか、私なりの視点で深掘りしていきますね。
廊下の役割を見直し注文住宅の坪単価を抑える
一般的な日本の住宅において、廊下が占める面積は意外と大きく、延床面積の5〜10%程度に及ぶこともあります。例えば30坪の家なら、1.5坪から3坪ほどが「通路」のためだけに使われている計算になりますね。この「通路でしかない場所」を思い切って削ることで、同じ建物の大きさでもリビングや収納を数畳分広く確保できるようになるんです。これは、実質的に「坪単価あたりの居住有効面積」を最大化していることになります。
また、建築コストの面でも非常に合理的です。廊下がなくなれば、その分だけ壁の面積が減り、ドア(建具)の枚数も劇的に少なくなります。内装にかかる材料費や、大工さんの施工手間が削減されるため、浮いた予算をキッチン設備のアップグレードや断熱性能の向上に充てることができるのも、注文住宅ならではの醍醐味かなと思います。将来的な壁紙の張り替えやドアの不具合調整といったメンテナンス費用も、面積や建具が少ない分だけ抑えられるので、長期的な家計の助けにもなりそうですね。資産価値という面で見ても、無駄なスペースがなく、居室がゆったり確保された家は、多くの方にとって魅力的に映るはずです。
コスト削減を最大化するポイント
単に廊下をゼロにするだけでなく、部屋同士のつながりを工夫することで、さらに無駄を省けます。例えば、1階の階段位置を家の中心付近に配置すれば、2階の廊下も最小限で済みますよ。こうした細かな設計の積み重ねが、最終的な建築費用の大きな差となって現れてくるんです。国土交通省が示す「誘導居住面積水準」などを参考にしても、都市部での豊かな暮らしには効率的な空間活用が欠かせないことがわかります。
リビングを広く使える廊下のない家の魅力と事例
廊下がない家の最大の魅力は、なんといっても圧倒的な開放感です。玄関から扉を開けるとすぐに広いLDKが広がるプランは、実際の面積以上の広さを視覚的に感じさせてくれます。例えば、30坪程度のコンパクトな2階建てであっても、廊下をなくしてLDKに取り込めば、20畳を優に超える大空間を実現することも可能なんです。これだけの広さがあれば、大きなソファやダイニングテーブルを置いても余裕がありますし、子供たちが走り回れるスペースも確保できますね。
さらに、リビングが家の中央に配置され、そこから各部屋や階段へ直接アクセスできる設計は、家族が自然と顔を合わせる機会を増やしてくれます。子供が学校から帰ってきて自室に行く際に、必ずリビングを通る動線になるため、コミュニケーションが取りやすいという理由で選ぶパパやママも多いですよ。視界を遮る壁が少ないので、キッチンで料理をしていても、リビングで宿題をする子供や、ソファでくつろぐパートナーの気配を常に感じられる安心感が大きな魅力です。物理的な広さだけでなく、心のゆとりにもつながるのが、廊下のない家の良いところかなと思います。
実際の事例から学ぶ空間のつなげ方
ある事例では、玄関ホールすら作らず、土間から直接リビングへつながるスタイルを採用していました。これにより、玄関先の「デッドスペース」が完全になくなり、その分リビングに備え付けのスタディコーナーを設けることができていました。家族全員が同じ空間にいながら、それぞれが別の作業に集中できる、そんな現代的な暮らしが実現できているのが印象的でしたね。
家の家事動線を短縮する方法と人気の間取り紹介
廊下を排除することで、生活動線が驚くほどシンプルになります。特に「家事効率」を徹底的に追求したい方にとって、廊下を介さずにキッチンから洗面所、脱衣所へと直接つながるレイアウトは非常に人気があります。重い洗濯物を持って長い廊下を歩いたり、ドアを何度も開け閉めしたりする必要がなく、最短距離で移動できるのは日々のストレスを劇的に軽減してくれますよね。
家事動線を良くするおすすめのアイデア
| 動線タイプ | 特徴とメリット | おすすめの家族構成 |
|---|---|---|
| キッチン直結水回り動線 | 料理の合間に洗濯や掃除がしやすい | 共働きで時短を重視する家庭 |
| 玄関・パントリー直結動線 | 買い出しの荷物を最短で収納可能 | まとめ買いが多い家庭 |
| 回遊型クローゼット動線 | 洗う・干す・しまうがスムーズ | 洗濯物が多い子育て世代 |
こうした設計の工夫を取り入れることで、家事にかかる時間を1日あたり数十分短縮できることもあります。その浮いた時間で、ゆっくりお茶を飲んだり、子供と遊んだりできるのは、注文住宅で間取りを工夫する最大の恩恵と言えるかもしれません。特に2階建ての場合、1階ですべての家事が完結するように廊下をなくして配置を最適化すると、階段の上り下りの回数も減り、年齢を重ねてからも暮らしやすい家になりますよ。
平屋のような開放感を出す2階建ての配置の工夫

2階建てでありながら、平屋のような一体感のある暮らしを実現できるのも、廊下のない間取りの大きな特徴です。リビング階段や大きな吹き抜けを組み合わせることで、1階と2階の空間がゆるやかにつながり、家全体がひとつの大きな部屋のような感覚になります。本来は分断されがちな上下階が、廊下を挟まないことで視覚的にも機能的にもリンクするんですね。
この設計のメリットは、光や風が家の隅々まで通りやすくなることです。暗くなりがちな家の中心部や北側の部屋にも、吹き抜けを通して南からの自然光を届けやすくなります。また、階段をただの昇降手段としてだけでなく、踊り場を広げて本棚を置き、ファミリーライブラリーにしたり、ベンチのように腰掛けたりできる「居場所」としてデザインすると、暮らしに豊かな表情が生まれます。こうした遊び心のある設計は、決まった枠組みのない注文住宅だからこそ叶えられる贅沢かなと思います。家全体で一つの空気が流れるような、そんな心地よい空間を目指したいものですね。
視覚的な広がりを作るテクニック
天井まで届く「ハイドア」を採用したり、あえてドアを設けずに垂れ壁だけで仕切ったりするのも効果的です。視線が遠くまで抜けることで、実際の床面積よりもずっと広く感じることができます。また、窓の配置を工夫して外の景色を取り込むことで、室内と屋外の境界を曖昧にし、さらなる開放感を演出することも可能です。
トイレの配置や音の問題で後悔を防ぐ設計のポイント
廊下のない間取りを検討する際に、多くの方が一番心配されるのが「トイレの音や視線」の問題です。廊下という緩衝地帯がないため、リビングでくつろいでいる時にトイレの排水音が聞こえてしまったり、来客時にトイレへ入る姿を見られたりするのを気にする声は非常に多いですね。これは非常に現実的な悩みで、対策を怠ると住んでから大きな後悔につながりかねません。
これを防ぐためには、まずトイレの入り口をリビングから死角になる場所に配置することが鉄則です。例えば、階段の裏側を活用したり、洗面脱衣所を経由してトイレに入る動線にしたりすることで、直接的な視線を遮ることができます。また、居室とトイレが隣接する場合は、その間にクローゼットなどの収納スペースを挟むことで、壁一枚よりも格段に遮音効果を高めることができます。トイレのドア自体も、パッキンの付いた遮音性能の高いものを選ぶとさらに安心です。設計の段階で、「家族がくつろいでいる時、あるいは来客がある時に誰がどう動くか」というシミュレーションを徹底的に行うことが、後悔しない家づくりの鍵になります。
廊下のない間取りの2階建てで失敗を防ぐ対策

魅力たっぷりの廊下のない家ですが、メリットばかりに目を向けて安易に廊下を削ってしまうと、住み始めてから「こんなはずじゃなかった……」と後悔してしまうポイントもいくつかあります。快適な暮らしを守るために、私が重要だと思う具体的な対策を深掘りしていきましょう。
音や臭いのデメリットを解消する具体的な方法
廊下をなくして空間をつなげるということは、必然的に「音」や「臭い」も家全体に広がりやすくなることを意味します。例えば、1階で観ているテレビの音が2階の寝室まで響いてしまったり、キッチンで作ったカレーや揚げ物の匂いが2階の洗濯物に付いてしまったり……といったケースですね。これを解消するためには、まず緻密な換気計画と遮音設計が不可欠です。
換気については、キッチンに高性能な同時給排型のレンジフードを採用するだけでなく、空気の流れを計算した「第一種換気システム」を検討するのがおすすめです。また、キッチンのコンロ前にだけ壁を立てたり、下がり天井にして空気の滞留を作ったりする工夫も効果的ですね。音の対策については、2階の床に遮音マットを敷き詰めたり、1階の天井裏に吸音材を入れたりすることで、上下階の騒音トラブルを防げます。完全にオープンにするのが不安な場所には、壁の中にスッキリ収まる「引き込み戸」を設置しておくと、普段は開放して広々と使い、来客時や集中したい時だけ閉めるという柔軟な使い方ができるので便利ですよ。最近では、透明なガラス引戸を使って、視線は通しながら音と臭いだけを遮断する、ホテルライクでおしゃれな設計も人気です。
廊下のない間取りに関する疑問を解決するQ&A
お客様との打ち合わせでよく話題にのぼる、代表的な疑問にお答えしますね。
冷暖房効率が悪くなるのでは?
確かに、廊下も含めて一つの大きな空間になるので、古い基準の家だと光熱費が高くなりがちでした。しかし、今の家づくりでは「断熱等級5以上」などの高気密・高断熱仕様が標準的になりつつあります。しっかりとした断熱性能があれば、エアコン1台で家全体の温度を一定に保つことも可能ですし、むしろ廊下だけが極端に暑い・寒いという不快な温度差がなくなるメリットの方が大きいです。全館空調システムなどを組み合わせれば、家中どこにいても春のような快適さを維持できます。(出典:脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会|国土交通省)
プライバシーは守られますか?
廊下がない分、部屋同士が密着しやすいのは事実です。対策としては、寝室や書斎といったプライベートな部屋の入り口に、小さな「前室」のようなスペースを設けたり、ドアの向きを互い違いにしたりすることで、視線の干渉を防げます。また、2階の各個室はクローゼットを壁側に配置して、隣の部屋との音の伝わりを軽減させる設計が定番です。
廊下のない家の収納不足を補う設計の工夫を紹介
廊下をなくすと、実は「廊下収納」という非常に便利なスペースが消えてしまうことになります。掃除機やストック品、季節の飾り物などを置く場所がなくなると、結局リビングに物が溢れてしまい、せっかくの広々とした空間が台無しになってしまいます。そうならないために、「使う場所に、使う分だけ、出し入れしやすく」という原則に基づいた収納計画を立てましょう。
廊下なし間取りで重宝する収納アイデア
| 収納の種類 | 具体的な活用法 | 設置のコツ |
|---|---|---|
| ファミリークローゼット | 家族の普段着や鞄を一括管理 | 1階の着替え動線上に配置する |
| 壁面造作収納 | テレビボード兼、大容量の本棚・小物入れ | 壁と一体化させて圧迫感を減らす |
| パントリー | 食品ストックや大型調理器具の保管 | キッチン横の1〜2畳でも十分効果的 |
| 階段下・スキップ下 | 掃除機やルンバの基地、季節物 | コンセントを中に設置しておく |
廊下がない分、壁面の使い方が重要になります。リビングの壁の一部を凹ませて「ニッチ」を作り、そこにリモコン類やインターホンを集約させると、見た目もスッキリして実用的です。収納は面積を広くとることよりも、奥行きや棚の高さが「入れる物に合っているか」を重視してプランニングしてみてくださいね。
理想の住まいを叶える注文住宅の事例と解説記事

実際に廊下のない2階建てを建てた方の事例を見ると、30坪前後の敷地であっても、驚くほど豊かな空間が実現されています。特に最近のトレンドは、1階の廊下をゼロにしてLDKを最大化しつつ、2階には最低限の短い廊下を設ける「ハイブリッド設計」です。これにより、家族が集まる場所は開放的に、就寝するエリアはしっかりとプライバシーを守るという、生活のオン・オフが切り替えやすい住まいになります。
また、廊下をなくすと耐力壁(地震に耐える壁)の配置が難しくなることがありますが、そこはプロの設計士の腕の見せ所です。壁の代わりに太い「化粧柱」を見せ場として配置したり、構造的に必要な壁を「飾り棚」や「マグネットボード」として活用したりすることで、強さとデザインを両立させることができます。こうした緻密な計算が必要になるからこそ、依頼するハウスメーカーや工務店の技術力は非常に重要です。
耐震性と開放感の両立
開放的な間取りを希望する場合は、必ず「許容応力度計算(構造計算)」を行っている会社を選びましょう。単なる「耐震等級3相当」ではなく、数値に裏付けられた安全性が確認できれば、廊下や壁の少ない大空間でも安心して暮らすことができます。大きな窓を設けつつ、最高レベルの耐震性を確保する。そんなワガママを叶えるのも、今の注文住宅なら可能です。
廊下のない間取りの2階建て住宅を選ぶ際のまとめ
ここまで、廊下のない間取りの2階建てについて、メリットからデメリットの対策までたっぷりお話ししてきました。廊下を削ることで生まれるゆとりあるLDKや、ストレスフリーな家事動線は、今の時代に合ったとても合理的な選択です。一方で、音や臭い、トイレの配置といった「住んでみて初めて気づく不便」をいかに未然に防ぐかが、満足度を分ける大きなポイントになりますね。
私自身、多くの間取りを見てきましたが、廊下がないからといって必ずしもプライバシーが損なわれるわけではありません。家具の配置や建具の選び方、そして何より「家族がどう過ごしたいか」というソフト面のシミュレーションがしっかりできていれば、これほど快適な住まいは他にないかなと思います。住宅の断熱性能や耐震性能についても、意匠的なデザインだけでなく、必ず技術的な裏付けを持って進めるようにしてくださいね。
最終的な判断は、土地の形状や周囲の環境によっても変わってきます。ぜひ信頼できるプロに相談して、自分たちにとっての「正解」を見つけてください。この記事が、皆さんの理想の家づくりに向けた小さな一歩になれば嬉しいです。正確な最新情報については、住宅メーカーのカタログや公式サイトも併せて確認して、納得のいくプランを練ってみてくださいね。応援しています!