こんにちは。「宅建士が教える注文住宅ガイド」の増田です。
最近、ニュースやSNSでもオール電化住宅の電気代高騰に関する話題をよく目にしますよね。これからマイホームを建てる方やリフォームを検討している方の中には、オール電化にするかガス併用にするかで迷っている方も多いのではないでしょうか。実際にメリットやデメリットを比較検討しようとしても、ネット上には「やめとけ」といった極端な意見や不安になるような後悔の声もあふれていて、本当のところはどうなのか判断に困ってしまいますよね。
そこで今回は、電力会社の事情や電気料金の仕組みといった基礎知識から、オール電化住宅を選んで後悔しないための具体的な節約方法や対策まで、私なりの視点で分かりやすく解説していきたいと思います。今後の選択に役立つ情報をしっかりとお届けしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
この記事でわかること
- オール電化住宅における電気代高騰の背景と具体的な理由がわかる
- 実際に後悔した事例から学び自分に合った選択ができるようになる
- 電気代を抑えるための効果的な節約術や設備対策を理解できる
- 電力プランの見直しや太陽光発電の導入など具体的な対策が見つかる
オール電化で後悔?電気代高騰の理由と実態

「オール電化にして本当に良かったのかな?」と感じてしまう瞬間、それはやはり毎月の請求書を見たときではないでしょうか。まずは、なぜ今これほどまでに電気代が話題になっているのか、その背景にある事情やオール電化住宅の基本的な特徴から整理していきましょう。
オール電化住宅のメリットとデメリット
オール電化住宅を検討する上で、まずはその特徴をフラットに理解しておくことが大切です。良い面もあれば、当然ながら注意すべき点もありますからね。
最大のメリットはやはり「基本料金の一本化」です。ガスと電気を併用する場合、それぞれの基本料金がかかりますが、オール電化なら電気の基本料金だけで済みます。また、キッチンにIHクッキングヒーターを採用することで、火を使わないため火災のリスクが低減され、小さなお子さんや高齢の方がいる家庭でも安心感が高いという点も大きな魅力ですね。
一方で、デメリットとして挙げられるのが「昼間の電気料金の高さ」です。多くのオール電化向けプランは、夜間の料金を割安に設定する代わりに、日中の単価を高く設定しています。そのため、日中に在宅している時間が長い家庭だと、予想以上に電気代がかさんでしまうことがあるんです。また、エコキュートやIHなどの設備導入にかかる初期費用が、ガス給湯器などに比べて高額になりがちな点も考慮しておく必要がありますね。
電気代高騰の本当の理由と電力事情
「昔はオール電化の方が断然お得だったのに」という声をよく聞きますが、ここ数年で状況は大きく変わりました。その背景には、世界的なエネルギー情勢の変化があります。
まず大きな要因として、火力発電の燃料となるLNG(液化天然ガス)や石炭の輸入価格が高騰していることが挙げられます。日本はエネルギー資源の多くを海外に依存しているため、国際情勢や円安の影響をダイレクトに受けてしまうんですね。これが「燃料費調整額」として毎月の電気料金に加算され、支払額を押し上げているのです。
さらに、再生可能エネルギーの普及を目的とした「再エネ賦課金」の上昇も無視できません。これは電気を使うすべての人が負担するもので、年々単価が上がってきています。こうした複合的な要因が重なり、以前のような「深夜電力を使えば圧倒的に安い」というメリットが薄れつつあるのが、現在の電力事情と言えるでしょう。
電気料金の仕組みと今後の見通し
私たちが支払っている電気料金の内訳を詳しく見てみると、「基本料金」+「電力量料金」+「燃料費調整額」+「再エネ賦課金」で構成されています。
燃料費調整額の上限撤廃に注意
特に注意したいのが、一部の電力会社やプランで「燃料費調整額の上限」が撤廃されているケースです。以前は燃料価格がどれだけ上がっても、ある一定以上は請求されない仕組みがありましたが、自由化以降のプランではこの上限がないものが増えています。これにより、燃料価格が高騰した月に、信じられないような請求額が届くという事態が起きているんです。
今後の見通しについても、政府の補助金制度「電気・ガス価格激変緩和対策事業」が終了したり縮小したりすることで、家計への負担が再び増える可能性があります。脱炭素社会へ向けて再エネ賦課金も高止まりが予想されるため、電気代が劇的に安くなるというシナリオは描きにくいのが現状かもしれません。
後悔事例を紹介!高騰で生活はどう変わる
では、実際にオール電化住宅に住んでいる方々は、どのような点で「後悔」を感じているのでしょうか。よくある事例を見てみましょう。
最も多いのが、「冬場の電気代が想定の倍以上になった」というケースです。特に北海道や東北などの寒冷地では、暖房と給湯(エコキュート)の稼働率が上がる冬場に、月10万円近い請求が来て驚愕したという話も珍しくありません。電気温水器や蓄熱暖房機など、少し前の世代の機器を使っている住宅では、その傾向がさらに顕著です。
また、ライフスタイルの変化による後悔も聞かれます。新築時は共働きで日中不在だったためオール電化がお得でしたが、コロナ禍で在宅ワークが増えたり、子供が生まれて日中も家で過ごすようになった結果、割高な昼間の電気を大量に消費することになり、家計を圧迫してしまったというパターンです。「こんなことならガス併用にしておけばよかった」という声が出るのも無理はない状況と言えるでしょう。
オール電化住宅に向かない人の特徴
これまでの話を踏まえると、オール電化住宅には「向き・不向き」がはっきりとあることが分かります。以下のような特徴に当てはまる方は、慎重に検討した方が良いかもしれません。
- 日中の在宅時間が長く、昼間に家電や冷暖房をよく使う家庭
- 料理が好きで、ガスコンロの強い火力や調理器具にこだわりたい人
- 寒冷地に住んでおり、冬場の暖房エネルギー消費が非常に多い地域
- 初期費用(イニシャルコスト)をできるだけ安く抑えたい人
逆に言えば、日中は仕事や学校で家を空けることが多く、夜間に家事をまとめてこなせるようなライフスタイルの家庭であれば、依然としてオール電化のメリットを活かせる可能性は十分にあります。ご自身の生活リズムと照らし合わせて考えることが重要ですね。
電気代高騰で後悔しないオール電化の対策

「もうオール電化で建ててしまったから手遅れ?」と心配する必要はありません。設備の使い方や契約プランを見直すことで、電気代高騰の影響を抑えることは十分に可能です。ここからは具体的な対策について解説していきます。
電気代を抑える効果的な節約方法
まず今日からすぐにできる対策として、エコキュートの設定見直しがあります。
エコキュートの「昼間の沸き増し」を停止する
エコキュートは通常、電気代の安い深夜にお湯を沸かしますが、湯切れ防止機能などで昼間に自動で沸き増しをしてしまうことがあります。これが電気代を押し上げる大きな要因です。リモコンの設定を確認し、「昼間休止」や「ピークカット設定」を活用して、割高な時間帯の稼働を極力減らすようにしましょう。
また、消費電力の大きい家電(食洗機、洗濯乾燥機など)は、タイマー機能を活用して深夜や早朝の時間帯に稼働させるのも効果的です。地味なようですが、毎日の積み重ねが月数千円の差になって現れますよ。
最適な電力プランの選択と見直し方法
契約している電力会社のプランが、現在の生活スタイルに合っているかどうかも確認が必要です。特に、何年も前に契約したまま放置している場合は要注意です。
最近では、新電力会社(Looopでんき等)を含め、様々な料金プランが登場しています。ただし、市場連動型プランなどは市場価格が高騰すると電気代も青天井になるリスクがあるため、仕組みをよく理解して選ぶ必要があります。大手電力会社の「時間帯別料金プラン」の中でも、深夜時間が短い代わりに単価が安いものや、土日の昼間がお得になるものなどバリエーションがあります。
一度、電力会社のシミュレーションサイトなどで、ご自宅の使用実績をもとに比較試算をしてみることを強くおすすめします。プランを変えるだけで、同じ電気使用量でも年間数万円の削減につながることも珍しくありません。
太陽光発電などの設備対策を解説
資金的な余裕がある場合や、これから新築・リフォームをする場合には、「電気を買わない」ための設備投資が最も強力な対策になります。
太陽光発電システムを導入すれば、一番電気代が高い日中の電力を自家発電で賄うことができます。「売電収入」を期待するというよりは、「自家消費」で高い電気を買わないようにするという考え方が、今のトレンドですね。
さらに蓄電池を併用すれば、昼間に発電して余った電気を貯めておき、夕方や夜間に使うことも可能です。こうなると電力会社からの購入量を最小限に抑えられるため、燃料費調整額や再エネ賦課金の影響も受けにくくなります。初期費用はかかりますが、長期的なランニングコスト削減と、災害時の安心感というメリットは非常に大きいですよ。
オール電化に関するよくあるQ&A
ここでは、私がお客様からよく相談される疑問について、Q&A形式で回答していきます。
停電したとき、オール電化だと何もできなくなるのが不安です。
確かに電気への依存度は高いですが、エコキュートのタンク内にお湯が残っていれば、非常用コックから取り出して生活用水として使うことができます。また、カセットコンロやポータブル電源を備蓄しておけば、調理やスマートフォンの充電などの最低限の生活は確保できます。これはガス併用住宅でも給湯器が電気制御で動かないケースが多いので、実はリスクに大きな差はないとも言えます。
ガス併用からオール電化にするか迷っています。将来的にガスに戻すことはできますか?
物理的には可能ですが、かなり高額な費用がかかります。ガスの配管工事や給湯器の買い替え、キッチンのリフォームなどで数十万円から100万円近い出費になることも。ですので、「とりあえずオール電化にしてみて、ダメなら戻そう」という考え方はあまりおすすめできません。
オール電化の後悔と電気代高騰まとめ
今回は、オール電化住宅で後悔しないために知っておきたい電気代高騰の理由や対策について解説してきました。
確かに電気代は上昇傾向にあり、何も対策をしないと家計への負担は大きくなるばかりです。しかし、エコキュートの設定見直しや電力プランの最適化、さらには太陽光発電の活用など、打てる手はたくさんあります。「オール電化=悪」と決めつけるのではなく、ご自身のライフスタイルや地域の特性に合わせて、賢く付き合っていくことが大切ですね。
これから家づくりをされる方は、断熱性能を高めること(これも立派な省エネ対策です!)も忘れずに検討してください。この記事が、皆さんの快適な住まいづくりのヒントになれば嬉しいです。