こんにちは。「宅建士が教える注文住宅ガイド」の増田です。
都心部でマイホームを検討する際、利便性が高くて土地代を抑えられる狭小住宅は、非常に魅力的な選択肢の一つですよね。しかし、いざリサーチを始めると、インターネット上では「狭小住宅はやめとけ」「後悔した」「失敗だった」といったネガティブなキーワードが目につき、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。また、中には「みじめだ」「資産価値が低く売れない」といった厳しい意見もあり、老後の生活や3階建ての暮らしに心配を抱く声も聞かれます。
もちろん、狭小住宅には特有の難しさがありますが、メリットを最大限に活かして賢く暮らしている方もたくさんいらっしゃいます。大切なのは、デメリットを正しく理解し、事前の対策を講じることです。
この記事でわかること
- 狭小住宅で実際に後悔しやすい具体的なデメリットと生活の実態
- 失敗を避けるための間取り設計や生活動線を整える工夫
- 自分に合うホームの考え方や狭小住宅に向いている人の特徴
- 「やめとけ」と言われる理由に対する具体的な対策と解決策
狭小住宅はやめとけと言われる理由と後悔の実態

まずは、なぜ多くの人が「狭小住宅はやめとけ」と口を揃えるのか、その背景にある具体的な理由を見ていきましょう。実際に住んでみて初めて気づく不便さや、生活の質に関わるポイントを整理しました。
実際に狭い家で感じるデメリット
狭小住宅で最も多く聞かれるのは、やはり「物理的な狭さ」に起因するストレスです。図面で見ているときは「これくらいなら大丈夫」と思っていても、実際に家具を置いて生活を始めると、想像以上に圧迫感を感じることがあります。
特に隣家との距離が近いケースが多く、窓を開けると隣の家の壁が目の前にある、といった状況も珍しくありません。これにより、日当たりや風通しが悪くなりやすく、日中でも照明が必要な薄暗い部屋になってしまうことがあります。また、隣家からの視線や生活音が気になり、プライバシーの確保に苦労するという声も少なくありません。
階段や動線が悪く生活効率が低下

土地が狭い分、居住スペースを確保するために3階建てにするケースが多くなりますが、ここで問題になるのが「上下移動の多さ」です。
生活動線でよくある失敗例
例えば、1階に洗濯機があり、干す場所が3階のバルコニーという間取りだと、重い洗濯物を持って毎日階段を往復しなければなりません。若いころは気にならなくても、年齢を重ねたり、体調を崩したりした際には大きな負担となります。「家の中での移動だけで疲れてしまう」というのは、狭小住宅ならではの後悔ポイントと言えるでしょう。
失敗しやすいリビングや寝室の配置
限られたスペースの中でLDK(リビング・ダイニング・キッチン)をどこに配置するかは非常に重要ですが、ここでも失敗が起きがちです。採光を確保するために2階リビングにする家庭が多いですが、その場合、冷蔵庫や大型家具の搬入が難しくなり、クレーンでの吊り上げが必要で追加費用がかかることがあります。
また、寝室を極限まで狭くしてしまった結果、ベッドを置いたらクローゼットの扉が開かない、あるいは足の踏み場がないといった事態に陥ることも。寝室は一日の疲れを癒やす大切な場所ですから、最低限のゆとりは確保したいところですね。
子どもの部屋数や物の収納問題
家を建てた当初は子どもが小さくても、成長するにつれて個室が必要になります。しかし、狭小住宅では部屋数を増やすのが難しく、「子ども部屋が足りない」という問題に直面することがあります。
さらに深刻なのが収納不足です。居住スペースを優先するあまり、収納を削ってしまいがちですが、生活していれば物は自然と増えていきます。結果として、リビングや廊下に物が溢れ、ただでさえ狭い空間がさらに狭く感じてしまう悪循環に陥ることも。季節家電やアウトドア用品など、かさばる物の置き場所は事前に計画しておく必要があります。
30坪以下で本当に困る点を解説
敷地面積が15坪〜20坪、延床面積が30坪以下といった狭小住宅では、家の中だけでなく外のスペースにも余裕がありません。特に困るのが駐車場の確保です。
ビルトインガレージ(1階部分を車庫にする形式)を採用する場合、その分1階の居住スペースが削られますし、車種によってはドアの開閉が窮屈で乗り降りが大変なこともあります。また、建築コストの面でも注意が必要です。狭い土地では工事車両が入れず、手運びでの搬入が必要になったり、足場の設置に工夫が必要だったりと、一般的な住宅よりも坪単価が割高になる傾向があります。「土地代は安かったけれど、建築費が高くついて総額は変わらなかった」とならないよう、事前の見積もりは慎重に行いましょう。
狭小住宅はやめとけを回避する対策と設計

ここまでネガティブな面を見てきましたが、狭小住宅には「立地の良い場所に住める」という最大の魅力があります。しっかりと対策を講じ、工夫を凝らした設計を行えば、快適で満足度の高い暮らしを実現することは十分に可能です。
後悔しない間取り設計のポイント
狭小住宅の設計において最も大切なのは、「視覚的な広がり」と「デッドスペースの活用」です。
空間を広く見せるための工夫
- 吹き抜けや高天井を採用する:縦の空間を活用することで、実際の面積以上の開放感を感じられます。
- スキップフロアを取り入れる:床の高さに変化をつけることで、空間を緩やかに区切りつつ、床下を収納として活用できます。
- ハイドアや引き戸を使う:天井まであるドアや、開けっ放しにできる引き戸を使うことで、部屋同士の一体感が生まれます。
また、廊下を極力減らし、階段下のスペースをトイレや収納にするなど、無駄な空間を徹底的に排除することも重要です。
自分に合う住宅の考え方
「広い家=良い家」という固定観念を一度捨てて、自分たち家族にとって何が一番大切かを考えてみましょう。
もしあなたが、「週末は家で庭いじりをしたい」「大型犬を飼いたい」というライフスタイルを望むなら、狭小住宅は不向きかもしれません。しかし、「平日は仕事で忙しいので、家は寝るだけで十分」「掃除の手間を減らして、休日は外出を楽しみたい」という考え方であれば、コンパクトな狭小住宅はむしろ合理的な選択と言えます。自分たちの暮らしの優先順位を明確にすることが、満足のいく家づくりの第一歩です。
選ぶべき人の特徴と経済的なメリット
では、具体的にどのような人が狭小住宅に向いているのでしょうか。
- 利便性を最優先したい人:通勤時間の短縮や、駅近の利便性を重視する共働き夫婦など。
- ミニマリスト志向の人:物をあまり持たず、シンプルで効率的な暮らしを好む人。
- トータルコストを抑えたい人:土地の購入費用だけでなく、固定資産税や都市計画税などのランニングコストも安く抑えられます。
特に経済的なメリットは大きく、家が小さい分、冷暖房の効きが早く光熱費が安く済むという点も、長く住む上では見逃せないポイントです。
狭小住宅に関するQ&A
最後に、狭小住宅を検討している方からよくいただく質問についてお答えします。
狭小住宅は売れないというのは本当ですか?
一概にそうとは言えません。確かに建物自体の評価は下がりやすいですが、狭小住宅は「駅近」などの好立地にあることが多いため、土地としての資産価値は維持されやすい傾向にあります。立地さえ良ければ、買い手がつく可能性は十分にあります。
狭い家だとみじめに感じませんか?
これは完全に主観の問題ですが、最近はデザイン性の高いおしゃれな狭小住宅も増えています。外観や内装にこだわることで、「狭い家」ではなく「洗練されたコンパクトな家」という印象を与えることができます。何より、便利な立地で賢く暮らしているという自信があれば、気にする必要はありません。
まとめ:狭小住宅はやめとけの真実
「狭小住宅はやめとけ」と言われる背景には、確かに動線の悪さや収納不足といったデメリットが存在します。しかし、これらは事前の入念な設計と工夫で解消できる問題も多いのです。
大切なのは、ご自身のライフスタイルと照らし合わせ、「なぜ狭小住宅を選ぶのか」という理由を明確にすることです。利便性やコストパフォーマンスといったメリットが、デメリットを上回ると感じるのであれば、狭小住宅はあなたにとって最高の「マイホーム」になるはずです。ぜひ、プロの意見も取り入れながら、後悔のない家づくり進めてくださいね。